12月一般質問と答弁全文
2022年12月13日
1 知事の政治姿勢「事実誤認発言」について
<野崎質問>
私は、自民改革会議所属議員として、通告に従い一括質問方式で知事、副知事、関係部局長、教育長に伺います。
最初に、知事の政治姿勢「事実誤認発言」について伺います。
「嘘を大声で、充分に時間を費やして語れば、人はそれを信じるようになる」これは、アドルフ・ヒトラーの言葉です。
10月25日の定例会見では、記者との間で神奈川県の土地取得の状況について、こんなやり取りがありました。
Q「この1ヶ月2ヶ月の間で、隣県の知事が、静岡県の行政の進め方に対して、お怒りになっていることに対しては、どう受け止めているのか?」
A「長崎知事は怒ってないと思います。神奈川県は違います。車両基地の、現場を通らざるをえない、そういうルートだった。その事実を誰も知らなかった。だから事実を知らしめた。特段、敵対関係を作ることではなく、事実を知らしめて、それ対しての、オーバーリアクションが、怒りだと見られた。正確な事実を共有するのが、期成同盟会の共通理解なわけで、それをしただけ」
Q「だけど、知事はあのとき1割って、言ったじゃないですか」
A「目分量で1割と言いました」
Q「でも、それは事実じゃなかった、わけですね」
A「事実です」
Q「事実なんですか?」
A「見たのは1割ぐらい、だってのは、もう皆、私だけ、見たんじゃ、ありませんから」
Q「見て、土地の境界っていうのは、分かるんですか?」
A「いやいや、そこを通ったときに、ですね、10軒のうちに1軒ぐらいしか、いわゆる、JR東海の管理地に、なってないんで、それを申し上げたわけです。だけど、その辺の数字はですね、この印象ですよ」
Q「印象って、事実じゃなくないですか?」
A「その場における事実。全体の、その車両基地全体の、土地、全体を、どのぐらいですね、取得されてるか、どうかについては、そんな、一部を見て、分からないでしょ」
Q「だとすると、より印象論で、物を申し上げては、いけないんじゃ、ないですか?」
何とも、頓珍漢なやり取りだと、感じられた方も多い事と思います。
そして、8月8日の南アルプス視察の取材では、工事の遅れは静岡市が原因といわんばかりに「4年間以上、(県道トンネルを)放置してここにきている」と述べましたが、実は、平成30年6月に静岡市と基本合意書を締結し、JR東海が、トンネルを新設することを決定した後に、坑口位置選定、路線選定及び構造物設計に着手。
測量、地質調査等を行った上で、路線選定や構造物設計を進め、市のトンネル技術検討委員会での審議も経た上で、新設するトンネルの諸元や構造を決定し、令和2年6月に静岡市と施行協定書を締結。
その後、工事公募を開始し、令和3年2月に工事契約を締結、工事施行に関わる工事説明会や諸々の行政協議を経て、同年12月に着手しているが実態です。
また、8月23日の定例会見では、「暫定開業するためにはターミナルがなければならない。現在ターミナルは一つしかない。甲府だけである。運転士はいないので、全部甲府のターミナルでコンピューター管理をして、超電導のリニアを動かすという訳である」と述べていますが、ターミナルは現時点で存在せず、甲府の駅は、まだ着工もしていないのが実態です。
更には、9月8日の定例会見では「部分開業というのは、JR東海の主張、であるということを、まず知ってもらいたい。部分開業などをしながら、全体を進めていきたい、というのがJR東海の基本的な姿勢」と述べていますが、JR東海が主張しているのは、第一段階としての名古屋開業、その後の大阪開業という二段階方式。それ以外の区間の部分開業だという主張は、一度もしていないのが実態です。
まだまだ、知事の事実と異なる発言は、数多くありますが、質問時間も限られていますので、指摘はこの辺にしますが、今年度に入ってからの知事の事実誤認発言は、拍車が掛かっており、それにより頭を抱えている方も多いと思います。
今、はっきり事実として言えることは「現場主義」を唱える、知事から発せられる言葉によって「現場は混乱」しているということ、そして、誰が指摘しても、こうした姿勢が治るかは不明だということです。
知事の発言は、まわりに大きな影響を与えることは事実です。
そこで伺います。
こうした発言が、未だ訂正されないのは、今でも正しいと考えているのか、理由も併せて伺います。
こうした発言は、知事にとって、また、静岡県民にとって、メリットなのか?デメリットなのか?伺います。
こうした誤認発言を、指摘する職員はいないのか?また、職員はどう思っていると思うのか?伺います。
また、この状況を知事は、どのように捉えているのか見解を求めます。
<知事答弁>
野崎議員にお答えいたします。私の政治姿勢についてであります。
事実誤認ではないかという発言についてでありますけれども、私はできる限り現場に赴きまして、何事によらず現場主義を基本として、県政運営に取り組んでおります。その過程において同じく重要なことは、現場で起こっている事象を、県民の皆様や関係者に正確にお伝えし、現状を共有することです。現状認識が正確にできますと、何をなすべきかという行動指針が生まれるということから、現場主義が大事なのです。
リニア中央新幹線に関してましても全く同様であります。諸課題の解決のために参考にするべく、今年度は燕沢、ここは盛土を360万立米置くという所でございます。それから、いわゆる破砕帯に属しております赤崩、そしてまた、取水抑制がテーマになっております田代ダムと、大井川上流部を視察いたしました。
さらにまた、期成同盟会の副会長を仰せつかっておりますので、期成同盟会の規約にございます、「調査研究、広報啓発」という、その規約に基づいたことをするために、神奈川県及び山梨県の建設予定地に赴きまして、リニア実験線にも乗せていただきました。
実験線に乗るためには、駅がないと乗れません。いわゆる甲府駅というのと違いまして、コントロールセンターに設置されてる駅のことを申し上げているわけでございます。その結果、例えば現時点では、相模原-甲府間、72キロでございますけれども、変電施設がひとつしかないと。変電施設は、それがカバーできるのは30キロ前後であると。72キロとなりますと、あとふたつ必要であるというご説明を受けたりいたしました。従って、その72キロの区間ですら部分開業できないという事情も判明したわけでございます。
部分開業について、JR東海が何を言っているかということは、JR東海が国交省に出した、中央新幹線小委員会への報告書の中にございます。その中で、第一段階として名古屋開業後、経営体力を回復して、速やかに大阪開業に取り組むと、そのことが、いわゆる、第一段階、第二段階という、部分開業の話として伝わっておりますが、同じ資料の中に、「最新技術維持のために、実験線の延伸完成から間断なく工事を進める」とあります。
実験線の延伸完成とはどういうことでしょうか。実験線が実験線でなくなることです。それは、二つの駅がないと開業できませんから、その一番近い駅が甲府駅と相模原駅であります。これが72キロです。それが今のコントロールセンターで動かせるのかどうかということを、見に行きましたところ、変電所が三つないとできないと。今のところそれを作る気持ちはないという御説明を受けましたので、その部分開業すらできないということをお伝えいたしました。
私は、こうした、現場で見聞きした事実を、詳らかにいたしながら、公表されている、公式の関連資料と照らし合わせて、記者会見等で見解を述べております。
これは、より多くの皆様に関心を持っていただき、かつ、正確に事実を知っていただくということを目的にしてのものであります。そしてまた、共に解決の方法を考えていただきたいという思いに基づくものでありまして、県民の皆様にとって、必ず正確な知識は有益であるというふうに、私は信じております。
また、職員に対しましても、熱海土石流災害の教訓も踏まえまして、改めて、現場主義の重要性を強く説いておるところであります。それは、若い一般職員から幹部職員にまで、幅広く浸透しているものというふうに考えております。
全ての県政の施策、運用方針等の意思決定に関しましては、一人で決めては全くおりません。副知事、関係部局長等と、広く会議を重ねまして、万機公論に決すということを皆で申し合わせながら、その姿勢で進めております。
引き続き、私の政策判断に偏りが生じないように、現場に赴き、その現場から学び、現場に即した政策を、皆と一緒に議論しながら立てる。
この現場主義を基本姿勢といたしまして、より良い県政運営に努めてまいりたいと思っています。
2 知事の言う大井川の水問題について
<野崎質問>
次に、知事の言う大井川の水問題に関し、まず「62万人の命の水を守る」というフレーズへの疑義について伺います。
川勝知事は「日経ビジネス(2018年8月20日号)」の中で、リニア工事に関わる「大井川の水問題」について「静岡県の6人に1人が、塗炭の苦しみを味わうことになる。それを黙って見過ごすわけにはいかない」「これは県民の生死に関わること」だと語り、2022年8月9日の定例会見では「62万人の命の水。それがカツカツの状態になっている」と述べています。
しかし、令和2年度、大井川広域水道企業団、決算資料の浄水受水量と、受水市の年間給水量から受水割合を算定すると、令和2年度は、菊川市(97%)掛川市(88%)御前崎市(84%)牧之原市(38%)島田市(21%)焼津市(14%)藤枝市(28%)となり、各市の受水割合に、各市人口を乗じて得られた人口を合計すると、約27万人ということになります。
まず、今私が申し上げたことが誤りなのか、正しいのか?のみ、お答えください。
そして、知事が発する「62万人の命の水」「これは県民の生死に関わること」という表現は、「0か100か」を連想させる表現であり「デフォルメ」が強く、県民を翻弄させているとも感じますが、そうであるのかないのか、理由も併せて見解を求めます。
次に、「カツカツの状態」だと、知事が言う「水不足、節水について」の疑義について伺います。
大井川広域水道企業団は、長島ダムを水源とし、大井川流域の7市に水道用水を供給しています。
長島ダムのパンフレットによれば、大井川流域唯一の発電以外の利水を目的としたダムとして、大井川広域水道企業団の計画給水量「日量16万700㎥」の約3倍の「最大日量50万1,120 ㎥」の供給能力を有しているとしています。
そして、長島ダム管理所(令和2年2月改定)の子ども向けパンフレット「長島ダムを学ぼう!」では、長島ダムでは、平成30年までの10年間の平均で、年間3,486mmの雨が降っています。日本の中でも降水量が多い地域の一つです。と記述されています。
大井川水系には、「畑薙第一・井川ダム湖」を水源池とする「既得水利権者」と「長島ダム」を水源池とする「新規水利権者」が存在し、異なる水源池を持つ両者が、大井川水利調整協議会を組織し、大井川水系の「節水」対策について、既得水利権者の水源池である、畑薙第一・井川ダム湖の合計貯水量を目安にして、両ダム湖等の貯水量や流況、気象予報、取水状況等を総合的に勘案し、節水対策の実施や節水率等を協議して決めるとしています。
また、2017 年、水利用課、作成の「静岡県の地下水」によれば、大井川左岸の地下水の利用可能量は、年、約1億1,800 万㎥で、その内の地下水揚水量は、年、6,100 万㎥であり、大井川右岸の地下水の利用可能量は、年、4,200 万㎥で、その内の地下水揚水量は、年、2,500 万㎥で、大井川流域の地下水は、豊富な利用可能量を有しています。
9月定例会産業委員会に提出された資料には、榛南水道と大井川広域水道の統合のメリットとして、企業団の計画水量と使用水量の乖離の解消との記述があり、水不足に悩まされている、大井川広域水道企業団に、新たな市の給水を加えるということは、更なる水不足を生むのでは?と質問したところ、企業局からは「大井川広域水道の水というのは、余っている」との答弁がありました。
今述べた実態からすると、知事のいう「カツカツの状態」という言葉は、「どういうことなのか?」と思わざるを得ません。
大井川広域水道の水は、余っているのか?余っていないのか?理由も併せて見解を求めます。
<森副知事答弁>
知事の言う大井川の水問題についてお答えいたします。
大井川広域水道企業団から受水している市の人口に、各市の企業団からの受水割合を乗じて得られる値の合計は約27万人と算定され、議員が述べられたとおりとなります。
次に、知事の表現についてであります。大井川の水は、大井川広域水道企業団からの供給や各市の自己水源によって、地域の62万人の水道用水として利用されているだけでなく、農業用水、工業用水、発電用水として多方面に利用されており、この地域の生活や産業を支える不可欠な財産であります。
また、かつての住民による「水返せ運動」のデモ行進では、「命の水を返せ」と書かれたプラカードが掲げられました。こうした大井川の水の重要性やこの地域の方々の水の思いを「62万人の命の水」、「これは県民の生死に関わること」と表現したものであり、決して県民を翻弄させるものではないと考えます。
大井川広域水道の水の状況ですが、大井川広域水道は施設整備を計画する際に想定した最大給水量を計画給水量としており、長島ダムからの日々の給水はその範囲内で行われることとなるため、計画水量と実際の使用水量には一定の差ができることとなります。
一方、大井川の流量は天候により変動するものであり、直近5年間で計5回の取水制限が実施されております。大井川広域水道においてもその影響を受けており、常に必要な水量を取水できるとは限りません。そのため、住民生活や地域の発展に欠かせない大井川の水資源が末永く保全されるよう、引き続き適切な水の利用に取り組むことが必要であると考えています。
以上であります。
3 函南町におけるメガソーラー問題について
<野崎質問>
次に、函南町におけるメガソーラー問題について伺います。
この事業については、令和4年6月3日付で「丹那の自然と生命を守る会」より、提出された請願に基づき9月定例会の産業委員会において集中調査が行われました。
集中調査では、林地開発許可に関わる河川管理者との調整、いわゆる河川協議の有無や発生土砂の搬出など、数多くのの疑義が質されましたが、当局の答弁は、「許可してしまった案件の瑕疵は認めたくない」といった姿勢が全面に現れ、許可理由に値しそうな事柄を後付けの理由としているものばかりでした。
この事業の林地開発許可には、重要事項として、函南町が管理する赤沢川、名賀田川(丹那沢)と、県が管理する柿沢川に関して、河川管理者との調整及び同意が必要となります。
11月7日の調査では「『町が河川協議は行っていない』と主張しているが、現時点においても、当時の判断は妥当と考えている」「県森林部局は、事業者が作成した県河川管理者との協議簿を基に、沼津土木事務所に対して調整内容を確認しました。これにより、調整が整ったと判断し、法令等に基づき、許可した」と答弁しました。
県の見解では、町の河川管理者と調整を行い、同意を得ている根拠として、事業者から提出された協議簿と、町へ電話確認した際の付箋に「OK」と記された書類や、函南町議会での答弁の一部を抜粋して「基準は実質的に満たしている」としていますが、この判断はあまりに飛躍していると考えます。
また、事業者提出の河川の協議簿には、県及び町の河川管理者との協議完了を確実に証明する「行政側が同意したことを示す、同意者の所属・氏名等の記載、押印した書類」はなく、その事柄について説明を求めると「河川管理者が協議完了を直接証明したものは、確認できない」と答えています。
これらの事実を基にどうして「河川管理者と調整を行い、同意を得る」との基準を満たしたと判断できるのでしょうか?
県が定めた審査基準の「水害の防止」については、審査の過程で「最も影響を受ける地点」が明示されていない時点で、申請書の誤りを指導すべきであるにも関わらず、許可をしたことは、審査上の重大かつ明確な瑕疵があると考えます。
「町の伝え方が悪かったのか?」「県の判断が間違っていたのか?」言い分の違いはありますが、県当局は、自分たちの判断ミスが明確となれば、それ相応の対応を迫られることになることから、必死で言い訳をしていますが、それとこれとは次元の違う話です。
こうした調査状況を踏まえ、自民改革会議のプロジェクトチームが、11月26日に請願者の皆さんに報告会を行ったところ、昨日、「丹那の自然と生命を守る会」の皆さんから「(仮称)函南太陽光発電事業計画の林地開発許可の取消しを求める請願」が提出されました。
柿沢川は、函南町内・伊豆の国市内において、度々氾濫を起こしており、林地開発により雨水流出量が増加することが、容易に想像できることから、当該開発が流域住民に与える不安は大きくなっています。
以上のことから、県の見解にはあまりにも無理があり、この事案については、「許可の取り消し」又は「許可事項の一時停止、再審査」が妥当な判断だと考えますが、本会議場にて改めて、県の見解を求めます。
<農林水産担当部長答弁>
函南町におけるメガソーラー問題についてお答えいたします。
県では、本事業の林地開発許可に当たり、森林法に基づく函南町長への意見照会を行い、さらに、町に対して詳細を確認した上で、事業者と河川管理者である町との調整は整っているものと判断をいたしました。
また、県管理河川につきましては、事業者が作成した河川管理者との協議簿を基に、河川管理者に対して、調整内容を確認した上で、調整が整ったものと判断し、法令等に基づき許可を行いました。
その後、事業者から集水区域の誤り等の報告があったことから、事業者に対しては、計画内容が審査基準に適合することが確認されるまで、開発行為に着手しないよう指導を徹底しているところであります。
現在、事業者からは、計画内容に関する訂正書類が順次提出されており、審査基準等に基づき、厳正かつ慎重に審査を行うとともに、県及び町の河川管理者との調整を、改めて行うよう指導を徹底しております。調整に当たりましては、今年度、手続を明確化するために策定した運用通知に基づき、河川管理者から書面で同意を得るよう厳正に指導してまいります。
また、本案件につきましては、事業者が不正な手段により許可を受けようとした意図は認められないと認識しております。加えて、工事の着手前であって、事業者が訂正の意向を示しており、事業計画を見直すものと考えております。
県といたしましては、本事業計画につきまして、現時点では、許可の取消しには至らないと認識をしておりますが、地域住民の皆様の不安や懸念、請願を重く受け止め、引き続き、法令や審査基準等に基づき、事業者を厳正に指導してまいります。
以上であります。
4 災害時における宅地内からの土砂の撤去支援について
<野崎質問>
次に、災害時における宅地内からの土砂の撤去支援について伺います。
今年9月23日に県内を襲った、台風第15号に伴う、大雨による河川の氾濫や崖崩れにより、静岡市や磐田市など広い範囲で、大量の土砂が、道路等公共土木施設だけでなく、宅地などにも堆積するという被害が出ました。
災害復旧作業においては、一般的に道路等公共土木施設の土砂の撤去が優先され、宅地の土砂等の撤去は所有者任せになりがちであり、被災者が日常生活を取り戻すには、道路等公共土木施設だけでなく、宅地における土砂の撤去を円滑かつ速やかに行う必要があることを、痛切に感じました。
国では、災害により宅地等に堆積した土砂を、市町村が運搬処分する際にかかった経費を国が補助する「堆積土砂排除事業」を実施するなど、地方自治体による撤去を後押ししています。
ただし、宅地内からの土砂の撤去に当たっては、様々な所管部局が交差し、円滑かつ速やかな撤去の妨げになる等の課題を抱えています。
そこで国では、令和元年東日本台風や平成30年7月豪雨を受けて国土交通省が音頭を取り、「宅地内からの土砂・がれき撤去の事例ガイド」を平成31年4月に策定(令和2年3月に改定)しました。
ガイドでは、初動を早めるため、予め担当部署や基本方針を策定しておくこと、予め業者や業界団体等と協定を締結しておくこと、所有者、施工業者、自治体にて、現地立会の上で実施範囲を決定することなどが推奨されています。
宅地内からの土砂の撤去業務は、公益上重大な支障がある場合は、市町が担うことができ、今回の災害では、静岡市は都市局を中心に「宅地内土砂対策本部」を設置し、窓口を一本化して対応したと聞いています。
しかし、災害対応の経験も乏しく、土木系職員も少ない、多くの市町では、対応が後手になってしまう傾向があるのが実状です。
そこで、宅地内からの土砂の撤去の円滑実施に向けて、交通基盤部を中心に、市町を支援していくことが必要であると考えますが、県の見解を伺います。
また、今回の災害で磐田市においては、地元消防団やダンプや重機を自前で持ち込み復旧活動にあたって頂いた「技術系ボランティア」の皆さんの活躍が目立ちました。
自然災害は一極集中で起こるわけではなく、広範囲渡って被害が発生するため、「災害協定」を結ぶ地元業者の方だけでは、早期復旧のための限界があることも露呈しました。
現在、消防団員対して消防車両運転のための準中型免許取得の助成を県消防協会と市町でそれぞれ一部を負担していますが、土砂の撤去に当たり、消防団員に対し、重機操縦の講習や資格取得経費を支援することも、必要と考えますが、県の見解を伺います。
<交通基盤部長答弁>
災害時における宅地内からの土砂の撤去支援についてお答えいたします。
台風第15号の影響による記録的な大雨により、県内では土石流やがけ崩れなどに伴う大量の土砂が、道路等の公共施設だけでなく宅地内にも流れ込み、堆積する被害が多数発生いたしました。
民有地である宅地内に堆積した土砂につきましては、土砂の放置が公益上重大な支障となる場合には市町が撤去することも可能であり、今回、静岡市や磐田市などでは、市が撤去を行いました。しかしながら、事前に担当部署や土砂の搬出先を定めていなかったことなどから、初動対応に遅れが生じたケースがあったと把握しております。
このため、災害発生時に迅速な対応ができるよう、全ての市町に対し、国の事例ガイドの内容を改めて周知したところであります。さらに、今回の初動対応について検証した上で、毎年実施している災害復旧事業に係る研修会などの場におきまして、昨年の熱海土石流災害時の対応とともに事例として紹介し、事前に宅地内の土砂撤去に関する基本方針を策定することや、建設業協会等の関係団体と協定を締結することなどを指導してまいります。
また、消防団員に対する重機操縦講習や資格取得の経費の支援につきましては、市町や消防団のニーズを確認した上で、必要に応じて県消防協会とともに検討してまいります。
県といたしましては、災害に強い県土づくりを進めるとともに、災害が発生した場合におきましても、市町と連携し、被災した方々が速やかに日常生活を取り戻すことができるような体制づくりを進めてまいります。
以上であります。
5 中東遠・浜松地区への特別支援学校の設置について
<野崎質問>
最後に、中東遠・浜松地区への特別支援学校の設置について伺います。
県教育委員会では、知的障害を対象とする特別支援学校の施設狭隘化の解消と通学負担の軽減を図るため、平成30年2月に「静岡県立 特別支援学校施設整備 基本計画」を策定し、新たな特別支援学校の整備を進めています。
特に、中東遠・浜松地区では、袋井、浜松、浜北の3つの特別支援学校の狭隘化が進んでおり、特に袋井特別支援学校においては、施設規模214人に対して、令和4年度は332人が在籍することや、在学児童の教育環境整備、生徒居住地等の通学の負担など、多くの課題を抱えています。
そこで、教育委員会としては、令和4年度から令和8年度の計画後期の整備箇所として、隣接する中東遠・浜松の2地区の課題解消を図ることができる箇所に本校1校を新設することを、今年3月に決定しました。
磐田市から県に対し、市内への特別支援学校整備の要請がありましたが、中東遠・浜松の2地区の中間地点に位置する、磐田市に整備されれば、課題解消を図ることができ、設置場所として適地であると考えます。
一日も早く子どもたちにより良い教育環境を提供できるよう早急に設置場所を決定し、整備に着手すべきと考えますが、新校の設置場所や開校時期等について、県教育委員会の見解を伺います。
以上、答弁を求めます。
<教育長答弁>
中東遠・浜松地区への特別支援学校の設置についてお答えいたします。
中東遠・浜松地区の知的障害を対象とする特別支援学校では、児童生徒数の増加に伴う施設の狭隘化及び通学負担が課題となっております。
とりわけ、袋井特別支援学校では、児童生徒全体の半数以上を占める182人が磐田市から通学し、このうち通学時間が1時間を超える児童生徒が31人いるなど、児童生徒及び保護者の負担が大きくなっております。
県教育委員会では、こうした課題を解決するため、「静岡県立特別支援学校施設整備基本計画」に基づき、中東遠・浜松地区に新たな特別支援学校を整備することを決定いたしました。
新たな特別支援学校は、知的障害及び肢体重複障害のある児童生徒を対象とした、小学部・中学部・高等部からなる本校の整備を予定しており、令和9年4月の開校を目指して、設置場所の最終的な調整を進めております。
設置要望をいただいた磐田市は、袋井、浜松、浜北の3つの特別支援学校の中央に位置し、磐田市だけでなく、浜松市の児童生徒の通学も可能となることから、3校の課題解消にもつながる適地と言えます。
現在、磐田市において、地元の理解を得るための説明会を行っている最中であります。
県教育委員会といたしましては、理解が得られた後は、一刻も早く設置場所を決定し、児童生徒がより身近な地域で、安全・安心に教育を受けられるよう、施設整備に取り組んでまいります。
以上であります。
Posted by しょうぞう力 at
15:11
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